「鈴木先生」「カズン」

読まなきゃいかん読まなきゃいかんと思っていたが例によって例のごとくめんどくさがって先送りまくっていた「鈴木先生」1巻をようやく奮起して購入し、書店近くの喫茶店で読む。

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)

今まで読まなかった俺バカ死ねって感じでしたわ。なんですかこの「いい」キャラたちは。そして構成が異常に上手い。教師として禄を食む一人間が学校にありがちな各種事件と向き合い奮闘するという平凡なテーマを取り扱っていながら、過剰さとハイテンションを維持しつつ突き抜ける。中だるみ知らず。
とか読みふけりながらなんでこんなに面白いんか、自覚できないあたりが不思議なんだが、考えてみるとまあ、先生っていうのも職業のひとつでしかなくて、それに従事しているのもフツーの人なんだよ、という当たり前の事実がバチっと描写されているからなんだろうな。だからこそ当事者たちからしたら深刻な事態の数珠繋ぎが、いったんは滑稽に見えたりもするのだが、いずれジワリジワリと訴えてくる、なんともいえない感覚を呼ぶ。
鈴木先生というキャラクターが、生徒からも「いい先生」とされていて、自分自身も「いい先生」としての自覚もあって、それなりに教師としてのテクにも自負があり、それなりに熱心かつ良心的にこの「教師」という仕事に取り組んでいるという造形であることも、このマンガの魅力に一役買ってる感じしますね。
ひとたび私生活に帰ると、いわゆる「出来た彼女」に依存しまくりのメガネ男子ってところもまた。
鈴木先生 2 (アクションコミックス)

鈴木先生 2 (アクションコミックス)

鈴木先生(3) (アクションコミックス)

鈴木先生(3) (アクションコミックス)

というわけでその足で2巻も3巻も買って帰りました。
事件の数々もさることながら、1巻ではほぼパーフェクトに教師できてたと、とりあえずは言ってもよさそうな鈴木先生「本人」がどんどん面白くなっていってますなあ。いやー人間つーのは業なものよのう。で、「カズン」3巻も買って読み。これも随分とほったらかしていたなあ。
ラス前の展開では一瞬、安野モヨコの「脂肪と言う名の服を着て」を思い出させられましたが、割に爽やかに終わってたので安心(安心?)。読後感は悪くなかったです。結構好きな漫画でした。
脂肪と言う名の服を着て 完全版

脂肪と言う名の服を着て 完全版